ハワイ・カイ・リタイアメント・コミュニティ

このページでは、「リタイアメント・コミュニティ」という言葉を使います。 「リゾートホテルの一室を賃借して、55歳からの人生の好きな期間を楽しく過ごす」とでも言えば、少しはイメージしていただけるでしょうか。

筆者が取材した最初の印象は、まさにリゾート・ホテル。
このページでは、ハワイの高級「リタイアメント・コミュニティ」について、いったい中はどうなっているのか、ふだんの生活はどんな様子か、食事は、アクティビティは、おでかけは、医療は、契約形態や方法・費用は...等、さまざまな視点でご紹介していきたいと思います。

さらに「まずはこの目で見ておきたい」という方のために、食事つき3時間見学ツアーや体験ステイのご紹介もあります。

ご紹介するコミュニティは「Holiday Retirement Communities Hawaii Kai - Hawaii Kai Retirement Community」です。 実際に居住されている方の様子はプライバシー保護のため掲載しておりません。 このページのすべての画像と文章は、ハワイ・カイ・リタイアメント・コミュニティより、ウェブ公開に関しての許可を得ています。
All pictures and sentence in this web page were permitted by "Hawaii Kai Retirement Community".


ハワイの風を取り込む従来の建物と、2000 年完成の新館

この「ハワイ・カイ・リタイアメント・コミュニティ」は、その広い敷地の中に大きく2つの建物が建っており、それぞれ2階建ての複数の棟から成り立っています。敷地は、ハワイ・カイの海に向かって段丘状になっており、下側、つまり道路からまっすぐ入っていくと最初に目にするのが、1998 年に完成した建物です(左写真)。こちらは、ハワイの自然の風を存分に取り込む設計で、共用スペースはオープン・エアとなっており、とても開放的です。もちろん各個人の部屋(「アパートメント」と呼びます)は空調設備が整っています。また 2000 年に完成した、敷地の上段に建つ新館は、全館で空調設備を整えた設計になっています。このページでは、こちらのコミュニティをご紹介していきます。

この二つの建物はどちらもリゾートホテルのような設計で、廊下の両側や片側に、各個人の部屋が並んでいる、という形をとっています。
どこへ行っても廊下の壁にはたくさんの絵画が掲げられており、歩くだけでも楽しめるようになっています。敷地内には、コテージ(一軒家のスタイル)になっている物件もあります。


明るい、さわやか、開放的

正直に白状すると筆者は、ここを取材するにあたっていくつかの先入観がありました。高齢の方が多くいる場所に漂う、いわゆる「加齢臭」もしくは薬や消毒っぽいニオイがあるのではないかということです。
また、直線的でシステマチックな建築設計、清掃しやすいリノリウムや塩化ビニール張りの冷たく硬い床、介助器具類などの金属が放つ独特の雰囲気や音、表情に乏しい寝室着姿の老人たち...。

しかし、そんな思い込みは根こそぎ裏切られました。まず根本的に、ここに入居しているのは、普通に健康な人々です。器具が必要な人でも、せいぜい車いすや、杖などの歩行器具を使っている程度です。明るい笑顔で、いろんなアクティビティに参加したり、自分でも主催したり、レストランで食事を楽しんだりしているのです。
エントランスホールの池(上写真)には、20匹ほどの鯉が泳いでいますが、水がきれいで、魚類特有の生臭さもまったくありません。
「気がつくと、高齢者が多いリゾートホテルだなぁ」 といった感じです。照度的にも雰囲気的にも明るいですし、みんなが集まる場所には笑い声が絶えません。

上記3枚の写真はレストラン・エリアで撮影したものです。食事は筆者が試食したときのもので、まだ食事をはじめたばかりの時に撮影しています。このあといろいろと食べてみましたが、やはり健康に配慮したメニューが中心です。しかし、ハンバーガーやソーセージ等もそろっており、自由にチョイスできます。実際、毎日ステーキを食べないとおさまらない、という男性の方がいて、本人の意思を尊重した考え方のこのコミュニティではステーキもちゃんとサービスされているとのことです。
また、まったく普通のレストランのように、瀬戸物の食器と金属製のナイフやフォークで提供されます。そしてこれらは、パステルカラーの医療服を着た職員が配膳するのではなく、ウェイターやウェイトレスがサーブしてくれるのです。

居住棟は大きく2種類に分かれています。
一般の居住者が住む棟は「Independent Living」と呼ばれ、歩行器具などを使う方が住む棟は「Assisted Living」と呼ばれます。Assisted Living では大きなエレベータが設備されていたり、レストランでは、料理をより細かくカットした状態で出してくれたりします。  


ピアノ、運動器具、美容室、ゲーム、PC、プロジェクション・テレビ

共有エリアには、さまざまな設備が整っています。 Activity Room (左写真)には、料理も楽しめるよう、フル・キッチンやテーブルが備えられています。これらの設備を利用して、居住者自らがアクティビティを主催し、コミュニティの皆さんに楽しんでもらうこともできます。おもな共用設備としては、次のようなものがあります。ピアノ演奏会などもできるエリア 、トレーニング機器・器具、ビューティ・ショップ&理容室(外部の専門業者による)、ビリヤード台、テーブルゲーム専用台、卓球台、チェステーブル、パソコン、プロジェクションモニタ(テレビ) 、ランドリー・ルーム、図書室、プール、ジャクージ、ほか。

左から、エントランスホールを見下ろすチェス・テーブル、パソコン&AV コーナー、プロジェクション・テレビ。

左から、テーブルゲーム専用台、ピアノ発表会もできるスペース。トレーニング機器、ほかに卓球台やビリヤードも。

左から、体操などに使う軽めのアレイ、アイロンもできるランドリーとワーキングテーブル。

体操や運動のクラスはもちろん、ゲーム・絵画・手芸等、毎日各種のアクティビティ(行事)が行われており、もちろん自由参加で、別途の費用はかかりません。
カラオケも以前はあったようですが、人気がなく、今のところ再開の予定はなさそうです。

これらのアクティビティの主催者やインストラクターは、このコミュニティのスタッフだけでなく、外部からも来てくれますし、居住者自身が自らの意志で開いていたりもします。もちろん、日本的なアクティビティもあります。
コミュニティ独自のアクティビティのなかでも大好評なのが「Hula Bucks」というクーポン・システム。アクティビティに参加すると、Hula Bucks という、いわば「コミュニティ内だけのお金」がもらえ、これを元手にオークションに参加できるというものです。


各個人の部屋はどうなっている ――ワン・ルーム・タイプ

このハワイ・カイ・リタイアメント・コミュニティでは、おおきく二つの契約コースがある、と考えていただいていいでしょう。ひとつは普通に健康な方を対象とした「リタイアメント・コミュニティ」、歩行器具などを使用されている方などへのサポートがある「アシステッド・リビング」です。そして、これらの部屋代・毎日の食事・アクティビティ参加等、コミュニティの利用にかかわるすべてを含めた月額費用を支払うレンタル契約となっています。「アシステッド・リビング」の場合はこれに加えて、必要なサポートレベルに応じて追加の月額費用が必要です。

なお、契約時には月額費用とは別に1,500ドル(約15万円)を支払うことになっています。この1,500ドルは「敷金」ではないので、退去時に戻ってくるということはありませんが、そのかわり、たとえば部屋の壁に穴を開けて棚を作ったりしても OK というしくみです。コミュニティを出るときは、リフォーム工事の費用にあてられます。

各部屋は「アパートメント」と呼ばれ、日本でいう賃貸契約のマンションと同じ感覚で過ごせます。ワンルームのステューディオ・タイプの部屋もありますし、1~3ベッドルーム、一軒家のコテージもあります。家具は自前で準備します。各部屋のドアには、プレートがついており、ご夫婦で暮らしている部屋には二人の名前が掲げられていたり、クリスマス・リースやいろんな飾りをつけて楽しんでいる方をよく見ました(上写真は空室のもの)。

さらに3か月以内の短期滞在が多い日本人には、家具付きのサービスもあります。
本来このコミュニティは、家具ごと引っ越してくるパターンが多いのですが、短期滞在では家具をそろえるなど非現実的ですから、非常にありがたいサービスです。


それではまず、日本でいうワン・ルーム、「ステューディオ・タイプ」の部屋から見てみましょう。ご夫婦でこのタイプを利用されている方も少なくありません。ドアを入るとほどよい大きさのキッチンがあります(下写真/左・中)。冷蔵庫は部屋についています。床は部屋部分が厚手のカーペットになっており、靴を脱いで過ごしてもまったく違和感がありません。

壁に埋め込まれた棚の横にはドアが二つ。左側はクローゼット。右側はバス・ルームです(上写真/右)。 クローゼットは十分な容量があり照明もついています。バスルームには、トイレ・洗面台、そしてシャワーがあります。バスタブ(浴槽)はありません。バスルームの天井にはヒートランプがあり、急に寒くならないようになっています。もちろんセキュリティを呼ぶためのスイッチもあります。 シャワーはシャワーカーテンを閉めて利用します。足を上げて跨ぐような動作は必要ありません。またシャワーブースの左右は腰掛けられるような形にしてあるので、ゆったりできそうです。 (下写真)

【簡易キッチンが基本】
リタイアメント・コミュニティの月額料金は「三食込み」であるため、ほとんどの部屋では、写真のような規模のキッチンとなっています。一部ですがフル・キッチンの部屋もあります。冷蔵庫はすべてのアパートメントに備え付けられています。もちろん電子レンジの持ち込みは OK ですし、カセットコンロも OK です。

【部屋からの外の様子(一例)】
左写真は、この部屋のラナイからの様子。道路は敷地内なのでふだんはめったに人や車が通らず、静かです。ハワイ・カイの岩山の湧き水で、小さな滝ができています。
なお、わずかですがラナイのないアパートメントもあります。上記でご紹介した部屋は、ステューディオ・タイプの部屋の一例です。面積や室内の配置がちがうものがあります。

【旧館モデルルームのキッチン】
下記3枚の写真は、旧館モデルルームのキッチンの様子です。日本人利用者の場合、ほとんどが3か月以内の短期滞在となるため家具付きの部屋が提供されます。
     


各個人の部屋はどうなっている ――ワン・ベッドルーム・タイプ

つぎに、1ベッドルームをご紹介します。この部屋は、広いリビングルーム、寝室、バスルーム、クローゼットの組み合わせになっています。部屋に入るとまず、広いリビングがあります (上左写真)。キッチンと冷蔵庫は、上左写真の左手に、ステューディオ・タイプの部屋と同じものが設置されています。入口の右手には、引き戸式の幅広のクローゼットがあります (上右写真)。
この部屋の例では、車いす等で過ごされる方にも使いやすいように設計されています。シャワーは腰掛けて使うことができ、洗面台も車いすのまま利用できるようになっています。

左から、リビング、クローゼット、ベッドルーム。 右端の写真のみ旧館モデルルームの写真。

左から、左右のクローゼットの奥にバスルーム、車いす利用も可能な洗面台、手すりや椅子が着いたシャワー室。

その他の設備や生活

プールももちろんあります。 深さは4フィート(約1.2m)で、水温は約30℃(華氏85度)に保たれています。また建物内には、いたるところにソファやいすが置いてあります。そしてみなさんに人気がある場所のひとつが、各棟を結ぶ通路。食後にここからハワイ・カイの海の方を眺めて、食休みがてら、仲間と語らうのだそうです。

(左)水温約30℃の屋外プール。(右)いたるところに置いてあるソファや椅子。

(左)旧館ごしにハワイ・カイの海を望む。(右)食後にここで「まったり」しながら海を眺めることも。


契約内容や費用など

それでは、2014年3月現在の料金などについて一覧しておきましょう。

リタイアメント・
コミュニティ
「Hawaii Kai Retirement Community」 このハワイ・カイのコミュニティで368軒のアパートメントがある。マウイ島のキヘイ地区にも100~110軒のアパートメントがあり、システムはほとんど同じだが、価格等で差がある。 リゾートホテル形式のコミュニティを運営する経営母体の Holiday Retirement Corp. は 、約30年間の事業実績があり、米本土やカナダに300ヶ所を超えるコミュニティを運営している。
予約 予約システムはないので、部屋を押さえておきたい場合は希望の部屋タイプを契約し、住んでいなくとも月額料金を支払うことになる。
契約時 契約時に月額の家賃と別に1500ドルが必要。 「敷金」とちがって返還はされないが、部屋の壁に穴を開けて棚を作る等を行ってもよい。退去時にはリフォーム工事費用として使われる。
月額料金
(部屋代以外の
各費用を含んで
います。詳細は
次項を参照)

どちらかが55歳以上であれば、夫婦等でひとつのアパートメント(部屋)に同居も可。3食と光熱費、その他が込み。諸条件を考えれば、コンドミニアム滞在などよりコストパフォーマンスは高い。
下記はいずれも「インディペンデント・リビング」の例。部屋面積はスクエアフィートを平方メートルに換算。

  • ステューディオ(ワンルーム)34~50 m² :
    一人で入居の場合 $3,099/月
    二人で入居の場合 $3,824/月

  • 1ベッドルーム(リビングと寝室) 49~75 m²:
    一人で入居の場合 $4,099/月
    二人で入居の場合 $4,824/月

  • 2ベッドルーム(リビングと寝室2部屋) 79~105 m²:
    一人で入居の場合 $4,999/月
    二人で入居の場合 $5,724/月

  • コテージ(一軒家)120~181 m²:
    一人で入居の場合 $5,999/月 *駐車場込み
    二人で入居の場合 $6,724/月 *駐車場込み
月額料金に
含まれる
サービス
【リタイアメント・コミュニティ】
  • 毎日3回の食事
    (レストランでとる。好みに応じて、おいしさ・栄養・健康が考慮されており、事由に選べる単品類も充実。ヘルシーおやつ類も終日準備。体調不良時は部屋までお届け )
  • 毎日開催される各種アクティビティへの参加
    (心身若返りの各種プログラム、フィットネス・プログラム、神父または牧師による礼拝(もちろん自由参加)、外部ゲストを招いての講演やエンターテインメント、専用バスによるショッピング・外食・地域行事への参加・観光、 ...などなど)
  • 週一回のリネンサービスと部屋掃除
  • 電気と水道
    (ガス栓は個人の部屋になく電話は自分で準備)
  • 定時運行バス
    (自分でレンタカーを持ち込み自由に出入りすることも可能)
  • 24時間警備体制
  • 緊急呼び出しシステム
  • 駐車場
  • TV アンテナ設備
    (テレビ本体や有料チャンネル視聴は自己負担)
  • ランドリー・ルーム
  • 温水プール&ジャクージ

【アシステッド・リビング】

  • 上記「リタイアメント・コミュニティ」の基本サービス
  • 投薬管理
  • 入浴・着替え・トイレ等の日常生活支援
  • 特別食
契約形態と
支払方法
  • 月額料金を支払っていく賃貸方式
  • 契約時に1,500ドルを支払う(この金額は戻ってこない「No Refund」)
  • ほとんどの人が、月末までに翌月分のチェック(小切手)を封筒に入れ、RENT PAYMENT BOX に投入している。他の支払方法については応相談。
退去と途中解約 退去するときは28日以上前に申し出る。 また、たとえば1年契約をして3ヶ月で退去しても、違約金は発生しない。
入居資格 特になし。若い人は 50 代後半の人も居住している。最多居住者年齢は 80 代中盤だが、日本の 80 代よりかなり元気で快活。居住者の約 90% は介護の必要がない人々。ヘルパーを個人的に雇うことも OK。1998 年の創立以来、住んでいる人も。
もちろん日本国籍の方、ビザなし渡航の日本人が3ヶ月滞在することも可能。
同居人 夫婦や友人同士で同居が可能。二人目からの料金は割安になる。
家具・キッチン 家具なし。冷蔵庫とキッチンは完備。電子レンジやカセットコンロの持ち込み OK。一部の部屋ではフル・キッチン。
電気・ガス・水道 電気料金と水道料金は月額費用に込み。 ガスは個人の部屋には引いてない。
電話 個人的に引き込む。携帯電話を利用している人が多い。
テレビ 76ch までが視聴可能。NHK ワールド (テレビジャパン) 等の有料チャンネルは、別途契約すれば視聴可能。
喫煙 コミュニティの全領域で禁煙。個人の室内でも喫煙してはいけません。
ペット ペット飼育 OK。他人に迷惑がかからないかぎり、特別な条件はなし。
郵便 エントランスホールに、部屋ごとの郵便受けがある。 もちろん施錠可能。 写真は郵便配達員が郵便を届けているところ。
セキュリティ 朝8時~夜8時はフロントデスクが対応。それ以外はセキュリティ・ガード(警備員)が対応。 また、スタッフ4名がコミュニティに居住している。
医療支援 Assisted Living の Nurse Center に看護師が4名常駐。
コミュニティ外
への送迎
ショッピングセンター等への送迎(定時運行バス)がある。 また、モアナルアにあるカイザー病院への送迎サービスあり。ただし病院の用事が午後3時までに終わる場合。
来訪者 公共エリアの利用、および自分のアパートメントに引き入れて OK。ただし宿泊させる場合は専用の有料アパートメントを利用。この場合は来訪者にも食事が提供される。


見学ツアー&体験ステイ、その他のお問い合わせ

このコミュニティをご自分の目で確かめるためのツアーがあります。
ツアーには短時間で見学できるツアーと、実際に宿泊できる体験ステイの2種類があります。これらの見学ツアー、体験ステイにつきましてはこちらをクリックしてください

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