「いったい、なんでそんな意地悪なしくみなんだ」
と思われるかもしれません。しかしこれも突き詰めると、日本人があまり経験してこなかった「自己責任原則」にたどりつくことになるのではないか、と筆者は思っています。
じつは、これまで述べてきたような預金口座の状況については、銀行はきちんと預金者の住所へステートメント(文書)を郵送しています。しかし、それをきちんと読まない(あるいは読めない)ことがすべての発端なのです。
日本の感覚ではつい、
「銀行に預けておけば特に何もしなくても大丈夫。残高が増えこそすれ、減ることは絶対にない」
と信じ込んでしまいます。ましてや、いつの間にか休眠口座になってしまうとか、残高がゼロになってしまうとか、州政府の管理下に置かれてしまうなどとは想像もつきません。
米国の銀行口座の管理は銀行が行うのではなく、自分が行うのだと考えておいたほうが現実的です。もちろん、銀行口座の管理は銀行が行っているわけですが、一定期間ごとに送付されてくる資料を理解せずに放っておくと、預金者はその文書を了解したということになります。たとえば、そこに書いてある取引履歴や預金残高が仮に間違っていたとしても、預金者がそれを銀行に対して指摘しない限り、そのまま通ってしまうということです。
米国の銀行と付き合うなら、やはりその流儀を知ってきちんと自己責任で管理していくという心構えが必要です。