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 2008/5/4
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 X線検査装置とフィルムへの影響
ホノルル空港の 「機内持ち込み用」 X 線検査装置の前には、「通常の感度のフィルムなら、検査装置の通過で感光することはない」と掲示されています。
(左写真は預け荷物用の検査装置)

この項では、FAA(米国連邦航空局)の方針により導入が進んでいる、高出力の X 線検査装置
InVision CTX-5500」 を中心にフィルムへの感光についてふれます。


ここで問題にしているのはフィルムカメラ(未現像フィルムへのカブリ)であり、
デジタルカメラやパソコンはほとんどの場合、磁気記録媒体やフラッシュメモリを使用しているため、X 線に関しては気にすることはありません。
ただ、精密機器であるうえに、大切なデータがあるわけですから、可能な限り空港預けにするのはやめて、機内持ち込み手荷物にしましょう。
(モニタに、自分のPCのハードディスクが透けて見えて映っているのは気持ちのいいものではありません。アクセスアームまでバッチリ見えています)

日本の空港では、フィルム感度 ISO1600 までのものであれば感光しない、と掲示しています。右の写真は成田空港第2ターミナルビル出発ロビーの検査装置。

 

 未現像写真フィルムについての原則的な注意点

まずは、未現像写真フィルムについての原則的な注意点を列記しておきます。映画用フィルムなど、プロフェッショナル・ユースにかかわる未現像フィルムの場合、各フィルムメーカに問い合わせることをおすすめします。最新の詳細情報が入手できます。

フィルムは透明なビニール袋やバッグなど中が見える入れ物に入れておく

空港預け荷物にせず、機内持ち込み手荷物としておく

機内持ち込み手荷物の検査の際、フィルムが入っている透明バッグを
「This is  photo film」といって係員に見せ、手による検査、ハンドインスペクションを受ける(ISO-400程度までのフィルムであれば感光することがない検査機もあります )。

この問題以前に、再販業者が扱っているようなフィルムを使ったり、期限切れのフィルムを使わない。 また、カメラ店や旅行用品店で売られている遮光性フィルム・バッグを利用すると、かえって逆効果になります(詳細後述)。

 

 ハワイ観光で感光!?

ところが、ハワイから帰ってこられた方の中で、
「感光してしまっていた!」という方もおられるようです。
これはなぜか。

現実問題として、ホノルル空港のチェックポイントは大変混雑しており、フィルムであろうとなかろうと、どんどん X 線検査装置に通されてしまう、ということがあるからです。
さらに、通常のフィルムなら感光しない検査機であったとしても、照射される X 線量がふだんより強く設定される場合もあります。
フィルムが感光するかどうかは、ひとえにこの X 線の線量(パワー)によります。

自分の手荷物に問題がなくても、先行して流れている他人の手荷物がきっかけで線量アップが行われた場合、感光してしまうことは十分考えられますし、遮光性フィルムバッグにフィルムを入れていた場合、見えない中身を見るために、線量 をアップされることがあります。

つまり、「通常の写真フィルムは感光しない」という話を、100%鵜呑みにはできないわけです。


それではどうすればいいのか。筆者の考えでは、

  1. とりあえず、やはり「写真フィルムについての原則的な注意点」に沿って準備・対処する
  2. 線量パワーアップを誘発するような荷物、荷造りに注意する。金属性の箱・板状のものや、分厚い書籍などに注意する。
  3. X 線の影響を受けないデジタルカメラを併用する
  4. ハワイで現像をしてしまう

ではないかと思います。
上記1.の対処で「たいていの場合」は大丈夫と思われますが、結婚式などの写真となると、やはり筆者ならデジカメを併用して「保険」をかけておきます。 現像済みなら感光の心配はありませんから、ハワイで現像してしまうというテも考えられます(その現像所が信頼できるという前提ですが)。


厳密には、銀塩フィルムカメラとデジタルカメラでは写りかたが違いますが、写真がダメになるよりはよっぽどマシです。 もちろんデジタルカメラについてはよく勉強しておくこと。なおデジタルカメラにおいて厳密な画質・発色を求めるなら、RAW データが扱える機種をおすすめします。

 

 InVision CTX-5000SP

米インビジョン・テクノロジーズ社製「InVision CTX-5000SP」は、
従来の X 線技術に加えてスキャン技術を組み合わせた、強力な検査装置です。

この装置の特徴は、最初は普通の検査をしつつ、「あやしい!」と検知したら自動的にパワー全開、追加スキャンで収束ビームを浴びせかける、という二段構えの仕組みであることです。
高出力ビームは、100〜300 mR が1センチ幅で照射され、これは未現像フィルムにカブリを生じさせる放射線量です。

(要するに、病院の CT スキャン状態になるわけですな)

フィルム自体に存在するハロゲン化銀、フィルムを収める金属容器は、この自動パワーアップを起動させる素材なので、未現像フィルムを鉛袋などに収めるという対策をしていても、パワー全開モードが自動的に起動してしまうというわけです。

もちろん、鉛のシールドによって放射線は減衰するのですが、鉛の厚さやフィルムの感度、その他諸条件で影響は違ってきます。

 

 非X線検査を要求する権利

FAA(米国連邦航空局)は、FAA 規則108.17 で、米国内の航空機の旅客に、感光性製品の非X線検査を要求する権利を付与しています。このうちフィルムを持ち運ぶ旅行者にとっては、FAA 規則108.17 の e 項の規定が最も重要です。 

■参考:
1.Transporting Special Items Transporting Film (FAA)
2.Prohibited Items Air Travel - Prohibited Items (FAA)


FAA規則108.17(e) 
認可保持者は、検査所およびX線検査システムの目立つ位置に、機内持ち込み荷物または預託荷物がX線によって検査されることを旅客に告知すると共に、検査前にX線フィルム、科学用フィルム、および高感度フィルムを機内持ち込み荷物や預託荷物から取り出すように旅客に助言する標識を掲示しない限り、X線を使用して機内持ち込み荷物または預託荷物を検査することはできない。この標識はまた、旅客がその写真機器やフィルムパッケージの検査を、X線検査システムを通さずに行なうように要求できることをも、旅客に助言するものとする。X線検査システムが機内持ち込み荷物または預託荷物に1ミリレントゲンを超える量を照射する場合、認可保持者は、すべての種類のフィルムを検査の前に荷物から取り出すように、旅客に助言する標識を掲示するものとする。旅客から要求された場合、旅客の写真機器やフィルムパッケージは、X線検査システムを通すことなく検査されるものとする。
FAA規則108.17(e) 
No certificate holder may use an X-ray system to inspect carry-on or checked articles unless a sign is posted in a conspicuous place at the screening station and on the X-ray system which notifies passengers that such items are being inspected by an X-ray and advises them to remove all X-ray, scientific, and high-speed film from carry-on and checked articles before inspection. This sign shall also advise passengers that they may request that an inspection be made of their photographic equipment and film packages without exposure to an X-ray system. If the X-ray system exposes any carry-on or checked articles to more than 1 mill roentgen during the inspection, the certificate holder shall post a sign which advises passengers to remove film of all kinds from their articles before inspection. If requested by passengers, their photographic equipment and film packages shall be inspected without exposure to an X-ray system.

 


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