なぜか足元が急に楽になった気がする。
どうやら道の舗装が変わったようである。
地面を指で押してみると少しへこむほどやわらかい。よく陸上競技場の地面にあるような舗装だ。
足が痛くなく、とても良い気分で歩くことができる。
今流行りの、靴底に空気が入った高級なスポーツシューズは、こんな気分なんだろうかと想像したりする。
しかし、そんな歩きやすい舗装もすぐに終わってしまった。きっとコストがかかるのであろう。
こんどは、舗装していない土の道になった。
なんだか懐かしい気がする。
都内で仕事をしている筆者にとって、舗装していない道を歩くのは何年ぶりであろう。
少し歩いて、ふと自分が歩いてきた道を振り返ってみる。
東急世田谷線、三軒茶屋駅の前にそびえる、
「キャロットタワー」が青空をバックに映えていた。
環七通りにあたった。
とても様子を見て渡れるような道ではない。
しかし、すぐそばに横断歩道と歩道橋がある
左手にある横断歩道は、東急世田谷線の踏み切りと一緒になっている。
東急世田谷線は、東京らしくない?ところに好感が持てる鉄道のひとつだ。
都電は一両の電車だが、世田谷線は二両連結である。加速音やゴトゴト音、きしむ音、車体のゆれ方に、この手の鉄道のよさがあると思う。
ちょうど環七通りを渡るタイミングで、電車がやってきた。新型の電車だ。
ゆかりのある桜新町を通るためであろう、サザエさんのマークがおもしろい。
環七通りをこえてしばらく行くと、住宅街になる。
野菜と果物をトラックに積んで売る人に出会った。
筆者が通りかかったとき、メロンを一盛買う客がいて、暇そうに新聞を読んでいたおじさんも、ぱっと張り切っていた。
緑道がうっそうとしてきた。脇から垂れ下がる枝が頭をなでる。別の言い方をすれば、ほとんど手入れがされていない。
東京という感じがしなくなってきたから、これもまた良し、である。
緑道を歩いてみると、次々とその風情が変わっておもしろい。
この先には何があるのだろうか。