花ぷら11(2009/8)
政府公認免税店「DFS ギャラリア」へ行ってみる。
驚いたのは、1階正面から入ったところの様子がガラリと変わっていることだ。以前は入って右手にアロハシャツやハワイアンキルト製品などを売っている店があり、左手にはハワイ土産になりそうな品物を並べた店があった。そこには数ドルで買えるようなアクセサリーや小物、石鹸なども売っていて、気軽に立ち寄れるところだった。
ところが今では、バッチリ一流ブランドフロアと化している。
これも、ハワイの観光業者たちのターゲットが、富裕層にシフトしていることの表れかもしれない。つまり、ここ数年の不況によって収入が減っているハワイ観光産業としては、客単価の高い富裕層にターゲットを絞ることで、不況を乗り切っていこうとしているのだ。
この DFS ギャラリアでさえ、ホノルル空港に出店している店舗の家賃を滞納している。政府公認免税店などというと、いかにも公共的な感じがするかもしれないが、グアム、香港、シンガポール、沖縄などに支店を持つ、まったくの私企業である。
日本からの観光客も減っていることは事実だが、減っている「層」というのは、1週間以内のツアーでやってくる人々だという。数年前にはハワイ旅行ができた人でも、いまはそれどころではないという人が増えているということだ。しかし富裕層は違う。世間の経済が悪くなったからといって、個人的にライフスタイルの変更を余儀なくされたり、嗜好を我慢するなどということはあり得ない。せいぜい不労所得の利益率低下に苦笑している程度だろう。
DFS ギャラリアはこれまで、
日本人観光客を主要ターゲットにして発展してきた。しかしいまは、富裕層にしぼりこんでいくと同時に、中国、韓国などの富裕層も狙っているに違いない。
ブランドショップが幅を利かせているため、その他のテナントや旅行代理店の現地事務所への入り口がわかりにくくなっている。まるで横町の路地に入っていくように、少し薄暗いわきの通路へ進み、「隠し階段」をのぼっていかねばならないところさえある。
H氏が靴を見てみたいということで、クヒオ通り沿いのペイレス・シュー・ソースや、カラカウア通り沿いのスポーツ・ショップをのぞいてみる。私もウォーキングなどに向いたスニーカーなど欲しいなと思っていたところだ。スポーツ・ブランドというと、ハワイにおけるスポーツ・イベントの主催もやっているナイキがすぐに思いつく。店内にもナイキ製品がたくさん並んでいる。
H氏の話によると、スニーカーはニュー・バランスがいいとのことだ。私としてはあまりなじみのないメーカーだ。値段は高いがもともと医療用の靴メーカだったとかで、非常によく足になじむのだそうだ。そしてH氏はこうも付け加える。
「オレは、ニューバランスしか履かない」
てやんでい、じゃぁこっちもニューバランスを履いてやろうじゃねぇか。...いつの日かきっと(希望)。
「やっぱりビーチを見に行きませんか」
というH氏の希望で、ワイキキ・パーク・ホテル向かいの狭い通路に行ってみる。しかし、そこは工事現場の柵がしてあり、閉鎖されている。少し探すと、近くに別の通路がある。ハレクラニホテルの玄関に向かって右手、ホテルとホテルの隙間に通路がある。狭い通路だが、このあたりのホテル滞在者にとっては便利な抜け道だ。
進んでいくと、ハレクラニホテル内の厨房の裏口なのだろうか、白衣を着た数人が階段に腰をおろして、一服つけながら休憩している。
通路そのものはなんの変哲もないものだが、両脇には植栽があり、幹が切り取られたところから、初々しい若葉が生えていたりしてる。 そうかと思うと、面白い形の灰皿が置いてあったりする。
灰皿はハレクラニホテルが置いたもののようだ。
赤くなり始めた陽が照らすワイキキビーチは、意外と静かでのんびりしている。
観光用なのだろう、アウトリガー・カヌーが一隻、カバーをかけられて置いてある。
さてハワイ最初の夜、なにかアメリカンな雰囲気のバーで飲もうということになり、ここから近い、ムース・マクギリ・カディースに行く。ワイキキホテル街にありながら、日本人がほとんどいないバーだ。欧米人の年配の人も多く利用しており、客たちのにぎやかな話し声が絶えない。こんな雰囲気が好きな人なら、一度のぞいてみるのも楽しい。店員は日本語がほとんど話せないと思ったほうがよいが、酒と食べ物のオーダができればいいのだから、それほど心配することもない。
本当は横並びに座るカウンターで、いかにもバーで飲むような感じで飲(や)りたかったが、もう店内は多くの客でにぎわっていて、ハイテーブルの席しかない。私たちは女性に案内されて、足が地面に着かない高い椅子に腰かけ、飲み始めることにする。
定番のフィッシュ・アンド・チップスと、オニオン・リングを注文する。これだけで腹がふくれそうだ。大きいサイズのケチャップとマスタードのボトルが、ドカンとテーブルに置かれるのも、なかなかいい感じだ。
私と背中合わせに座って飲んでいる欧米人の高齢者グループも盛り上がっている。彼らはときどきトイレに行くために立ち上がるのだが、そのたびに私の背中にぶつかってくる。まぁ、それもいい。老若男女、みんなワイワイ楽しく飲んでいる。
ビールもうまい。気のせいもあるのかもしれないが、ハワイに来ると日本のビールよりも、バドワイザーやバド・ライトのような軽い感じのビールのほうが、のどごしもスッキリしておいしく感じる。
二人とも満足して店を出る。少し歩いて、ロイヤル・ハワイアン・ショッピング・センターの中央部に作られた、ハワイ王国最後の王女パウアヒ(ビショップ夫人= Princess Bernice Pauahi 1831~1884)像と、その周辺の緑地を歩く。
王女パウアヒは、少女に本を読み聞かせている。教育の大切さ、後継者を育成することの大切さを示しているように見える。
ハワイ初日、 個人的にはなかなかいい滑り出しだ。のんびり、楽しく、おいしい一日が過ごせた。あぁ幸せ。











